土地甲を所有するAが死亡した場合に、甲の相続に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
なお、Aには配偶者B、子C、直系尊属の父Dのみがいるものとする。
正答2
解説
正解は2。
配偶者Bは常に相続人となり、子Cがいなければ直系尊属Dが相続人になるという相続順位と、同時死亡の推定・数次相続を組み合わせて判断する問題です。
【選択肢別解説】
1:× AとCが同時に死亡したと推定される場合(民法32条の2)、同時死亡者の間では相続が生じないため、CはAを相続しません。
Cに子がいない前提では、Aの相続人は配偶者Bと直系尊属Dとなり、相続分はBが3分の2、Dが3分の1です(民法900条2号)。
「Dの相続分は2分の1」は誤りです。
2:○ Aの死亡時点ではBとCが2分の1ずつ甲を相続します(民法900条1号)。
その後Cが死亡すると、Cには配偶者も直系卑属もいないため、Cの相続人は直系尊属ですが、親等の近い者が優先するので、Cの母(父)であるBが相続し、祖父にあたるDは相続人になりません(民法889条1項1号)。
結局、甲はBがすべて取得します。
3:× Cが先に死亡しており代襲相続人(Cの子)もいないので、Aの相続人はBとDです。
このときBの相続分は「2分の1」ではなく3分の2です(民法900条2号)。
4:× 共有者の一人が持分を放棄したときは、その持分は国庫ではなく他の共有者(ここではB)に帰属します(民法255条)。
国庫帰属は、相続人のいない者の財産が最終的に行き着く場面(民法959条)の話です。
【ポイント】
配偶者と直系尊属が相続人なら配偶者3分の2・直系尊属3分の1です。
共有持分の放棄は「他の共有者へ」、相続人不存在の残余財産は「国庫へ」と区別して覚えましょう。