マンションの管理費の支払債務の時効の中断に関する次のア〜エの記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。
ア管理費の滞納者が死亡した場合においては、時効は中断する。
イ管理費の滞納者が破産手続開始の決定を受けた場合においては、その破産手続開始決定の時に時効が中断する。
ウ管理費の滞納者に対して内容証明郵便による催告をしても、催告後6箇月以内に裁判上の請求など一定の時効中断手続をとらないと、時効の中断の効力は失われる。
エ管理費の滞納者が、滞納している事実を認める旨の承認書を管理組合に提出した場合においては、その承認書が公正証書によるものでなくても、時効が中断する。
正答2
解説
正解は2(正しいものは二つ)。
出題当時の民法における時効の中断事由(請求・差押え等・承認)を、管理費の滞納に当てはめて問う個数問題です。
【選択肢別解説】
ア:× 時効の中断事由は、請求、差押え・仮差押え・仮処分、承認です(出題当時の民法147条)。
債務者の死亡は中断事由ではなく、滞納管理費の債務は相続人に承継されて時効はそのまま進行します。
イ:× 破産手続開始の決定があったこと自体では時効は中断しません。
中断の効力が生じるのは、管理組合が破産手続に参加(債権届出)した場合です(出題当時の民法152条)。
「破産手続開始決定の時に時効が中断する」とする点が誤りです。
ウ:○ 内容証明郵便による催告は、6箇月以内に裁判上の請求、支払督促の申立て、差押え等をしなければ、時効中断の効力を生じません(出題当時の民法153条)。
エ:○ 債務の承認は時効の中断事由であり、承認に特別の方式は不要です。
承認書が公正証書でなくても、滞納の事実を認める書面を提出すれば時効は中断します。
よって正しいものはウ・エの二つです。
※現行法(2020年4月施行)では、「中断」は「更新」、「停止」は「完成猶予」に再編され、催告は6箇月の完成猶予事由、承認は更新事由とされています。
【ポイント】
承認は方式不要で、一部弁済や支払猶予の申入れも承認に当たります。
破産は「開始決定」ではなく「債権届出(破産手続参加)」で中断する点がひっかけの定番です。