正答4
解説
正解は4。
胎児の損害賠償請求権、慰謝料請求権の相続、使用者責任の前提、工作物責任の二段構えを問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 胎児は、損害賠償の請求権については、すでに生まれたものとみなされます。
不法行為の時点で胎児であっても、生きて生まれれば加害者に賠償を請求できるので、「請求することはできない」とする点が誤りです(民法721条)。
2:× 判例は、慰謝料請求権は被害者が生前に請求の意思を表明しなくても、当然に相続の対象になるとしています。
意思の表明を相続の条件とした古い考え方(意思表明説)は採られていません(最大判昭和42年11月1日)。
3:× 使用者責任は、被用者が事業の執行について第三者に加えた損害について、被用者自身に不法行為(故意又は過失を含む)が成立することを前提としています。
「被用者に故意又は過失がなくても」使用者が賠償しなければならないとする点が誤りです(民法715条1項)。
4:○ 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があって他人に損害を生じたときは、まず占有者が賠償責任を負います。
ただし占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者が賠償責任を負い、所有者には免責の余地がありません(無過失責任、民法717条1項)。
【ポイント】
工作物責任は「占有者(注意をすれば免責)→所有者(無過失責任)」の順番です。
マンションの外壁落下などの場面で頻出です。