第115回 看護師国家試験 午後問240
大型の台風が直撃するという予報を受けて、午前 9 時、病院では災害対策本部が立ち上がった。
また、病院の所在する市から避難所への看護師派遣の要請を受け、対応することになった。
土砂災害の発生によって家屋の復旧が遅れており、今後さらに避難生活が必要になることが避難者に説明された。
避難所を開設してから 5 日が経過しており、避難者の間で、家に戻れない不安と慣れない避難生活のストレスから、配食や洗濯場の順番を理由に口論が起こっていた。
その日の午後、D さん(72 歳、男性)が「何度言ったらわかるんだ」と大声を出していた。
避難所の看護師が近づくと、D さんの表情がこわばっており苛立っているのが分かった。
このときの看護師の D さんへの対応で適切なのはどれか。
正答1
解説
正解は1(選択肢1番目「複数人で静かな環境に案内」)。
避難所での口論や苛立ちは慢性ストレス、睡眠不足、プライバシー不足、生活再建への不安が複合的に背景にある。
興奮状態にある人に対しては、安全確保のため複数人(看護師2名以上)で対応し、騒音や他者の視線から離れた静かで落ち着ける環境に案内して、感情を落ち着ける時間と空間を提供することが基本となる。
これは精神看護におけるディエスカレーション技法の原則でもある。
2の大声での注意は本人の興奮を増強し、対立を強化してしまう。
3の背後からのタッチングは予期しない接触で脅威と感じられ、攻撃的反応を引き起こす可能性が高い(必ず前方からアプローチし、本人の同意を得てから触れる)。
4の「我慢して」は感情の否定で適切でない。
被災者の心理状態(喪失体験、無力感、怒り、悲嘆)に配慮した支援が避難所看護の基本である。まとめて解く
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