A さん(55 歳、男性、会社員)は 30 年の喫煙歴がある。
会社の健康診断で高血圧を指摘されて生活習慣の改善を勧められたが「週末にスポーツジムで運動するようになったけれど、仕事が忙しくてこれ以上生活を変える自信はありません」と述べた。
A さんの自己効力感を高める支援はどれか。
2つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答1・3
解説
正解は1と3です。
自己効力感とは、Bandura〈バンデューラ〉が提唱した「自分ならこの行動をやり遂げられる」という見込みや自信のことです。
自己効力感は、成功体験、代理的経験、言語的説得、生理的・情動的状態の4つの情報源によって高まります。
Aさんは運動を始めていますが、これ以上の変化には自信がないと述べています。
【選択肢別解説】
1:○ 運動への取り組みを評価することは、自己効力感を高めます。
すでに達成できている行動を認める言語的説得により、「自分にもできた」という実感が強まります。
2:× 上司に配置転換を依頼するのは不適切です。
本人の意思を確認せずに職場へ介入することは自己決定を損ない、自信を高めることにもつながりません。
3:○ 取り組めそうな目標を一緒に設定することは、自己効力感を高めます。
達成可能な小さな目標を立てると成功体験を積みやすく、それが次の行動への自信になります。
4:× 気持ちになるまで待つだけでは、自己効力感は高まりません。
Aさんはすでに行動を始めている段階であり、今の取り組みを支える働きかけが必要です。
5:× 危険性の説明は、自己効力感を高める支援ではありません。
脅威を伝えると病気への危機感は高まりますが、自信のない人ではかえって不安や無力感が強まることがあります。
【ポイント】
自己効力感を高めるには、小さな成功体験を積ませることが最も効果的です。
危険性の認識を高める働きかけは、健康信念モデルの「罹患性・重大性の認識」にあたり、自己効力感とは区別します。