〔事例〕
Aさん(42歳、男性)は、知的障害がある。
父親(72歳)と二人暮らしをしている。
半年前、Aさんに血便がみられたため病院を受診したところ、大腸がん(colorectal cancer)と診断され、S状結腸ストーマを造設した。
パウチの交換に支援が必要となり、退院後は父親が自宅で介護をしていた。
父親の介護負担が大きくなったため、居宅介護(ホームヘルプサービス)を利用することになった。
次のうち、Aさんの正常時の便の性状として、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答5
解説
正解は5です。
ストーマの造設部位と、排泄される便の性状の関係を問う問題です。
大腸では、内容物が肛門側に進むにつれて水分が吸収され、便は水様から固形へと変化していきます。
Aさんは、大腸の終わりに近い「S状結腸ストーマ」を造設しています。
【選択肢別解説】
1:× 水様から粥状の便は、小腸の終わりの回腸や、大腸の始めに近い部分のストーマでみられます。
水分がほとんど吸収されていない段階の便の性状です。
2:× 流動状から液状の便は、水分の吸収がほとんど行われていない段階の便です。
S状結腸ストーマの正常時の便ではありません。
3:× 半流動から粥状の便は、大腸の前半部分のストーマでみられる性状です。
S状結腸まで進んだ便は、もっと固くなっています。
4:× 泥状から軟便は、横行結腸付近のストーマでみられる性状です。
S状結腸ストーマの便としては水分が多すぎます。
5:○ S状結腸に達するころには、大腸で水分の多くが吸収されています。
そのため、S状結腸ストーマから出る正常な便は、軟便から固形状になります。
【ポイント】
ストーマの位置が肛門に近いほど、便は固くなります。
回腸ストーマでは水様便のため脱水や皮膚のただれに、S状結腸ストーマでは便秘やにおいに注意します。