Aさん(85歳、男性)は、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)で、介護老人福祉施設に入所している。
ある日、Aさんから、「痰がからんでいて、咳をしても出せない」という訴えがあった。
介護福祉士が呼吸回数を確認すると、1分間に22回で、ゴロゴロという音がしていた。
看護職からは、右肺に痰が貯留しやすいという情報提供があった。
口腔内吸引をすると、粘性の強い透明な痰が吸引できた。
このとき、介護福祉士が喀痰排出を促すためにAさんに行う対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答3
解説
正解は3です。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の利用者の痰を出しやすくするための対応を問う問題です。
事例では、「痰がからんでいて、咳をしても出せない」状態で、看護職から「右肺に痰が貯留しやすい」という情報があり、吸引した痰は「粘性の強い」ものでした。
【選択肢別解説】
1:× 湿度30%は乾燥しすぎており、痰がさらに粘って出しにくくなります。
痰を出しやすくするには、加湿して適切な湿度を保ちます。
2:× 水分摂取を控えると、痰の水分が減り、さらに粘りが強くなります。
医師から水分制限の指示がなければ、こまめな水分摂取を促します。
3:○ 痰がたまっている右肺を上にして左側を下にすると、重力によって痰が太い気管支の方へ流れやすくなります。
このように体位を利用して痰を出しやすくする方法を、体位ドレナージといいます。
4:× 吸引チューブのサイズは、医師や看護職の指示に従って使用します。
介護福祉士が自己判断で太いチューブに変えると、粘膜を傷つけるおそれがあります。
5:× ベッド上で安静にしていると、痰が同じ場所にたまりやすくなります。
体位を変えたり体を動かしたりすると、痰が移動して出しやすくなります。
【ポイント】
痰を出しやすくする方法は、「加湿」「水分補給」「体位ドレナージ(痰のある側を上に)」「適度に体を動かす」です。
痰の粘りが強いときは、まずこれらの工夫で痰をやわらかくし、移動させます。