Aさん(75歳、男性)は、認知症(dementia)で、通所介護(デイサービス)を利用している。
介護福祉職が、「今日は何月何日でしょうか」と聞くと、Aさんは、「9月」と答えた。
介護福祉職が、「今朝、Aさんの家の庭にあじさいが咲いていましたね」と言うと、Bさんが、「あじさいが咲くのは6月?」と答えた。
介護福祉職は、「そうです。今日は6月22日です」と言い、ホワイトボードに日付とあじさいの絵を描いた。
介護福祉職が、「6月生まれの方はいますか」と聞くが、返事がない。
介護福祉職は、「今日は6月22日ですが、あと3日でAさんの誕生日ですね」と伝えた。
次のうち、介護福祉職が実施した技法として、適切なものを1つ選びなさい。
正答3
解説
正解は3です。
認知症の人に対して介護福祉職が用いた技法の名称を問う問題です。
事例の介護福祉職は、「今日は何月何日でしょうか」と尋ね、あじさいを手がかりに「今日は6月22日です」と伝え、ホワイトボードに日付を書いています。
さらに、「あと3日でAさんの誕生日ですね」と、日付を意識できる話題につなげています。
【選択肢別解説】
1:× タッチケアは、手や背中に触れたりなでたりして、安心感を与える方法です。
事例では、触れることによる働きかけは行っていません。
2:× アートセラピーは、絵を描くなどの創作活動を通して、気持ちの表現や心の安定を図る方法です。
事例のあじさいの絵は日付を意識してもらうための手がかりであり、創作活動ではありません。
3:○ リアリティ・オリエンテーションは、日付や季節、場所などの情報を繰り返し伝え、見当識を補う方法です。
会話やホワイトボードで日付を確認し、季節の花や誕生日と結びつけていることが、この技法に当たります。
4:× ライフレビューは、これまでの人生を振り返り、その意味を見いだしていく方法です。
事例では、過去の人生を振り返る働きかけは行っていません。
5:× グリーフケアは、大切な人を亡くした人の悲嘆を支える方法です。
事例の場面とは関係がありません。
【ポイント】
リアリティ・オリエンテーションには、日常の会話の中で随時情報を伝える方法と、少人数のグループで定期的に行う方法があります。
回想法やライフレビューは「過去」、リアリティ・オリエンテーションは「現在」に働きかける方法と区別しましょう。