Aさん(82歳、女性)は、介護老人保健施設に入所している。
朝、眠そうな様子であったため、介護福祉職がどうしたのかと尋ねると、Aさんは、「夜、足や背中がかゆくてあまり眠れなかった」と話した。
看護師と共に足や背中を観察すると、皮膚が乾燥していて、引っ掻いたような傷があった。
そのほかに皮膚の異常はみられなかった。
Aさんは寒さに弱く、今は冬なので常に電気毛布を使用している。
昨日は入浴日であった。
次のうち、Aさんに生じている可能性がある疾患として、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答4
解説
正解は4です。
高齢者の皮膚のかゆみの原因となる疾患を、事例の情報から判断する問題です。
事例では、Aさんの皮膚は「乾燥していて、引っ掻いたような傷」があり、「そのほかに皮膚の異常はみられなかった」とされています。
さらに「冬」で「常に電気毛布を使用」しており、「昨日は入浴日」でした。
【選択肢別解説】
1:× 角化型疥癬は、ヒゼンダニが大量に寄生して、皮膚が厚いかさぶた状に角化する感染症です。
Aさんには乾燥と引っ掻き傷以外の皮膚の異常がないため、当てはまりません。
2:× 帯状疱疹は、体の片側に神経に沿って帯状の赤い発疹や水疱が出て、強い痛みを伴う病気です。
Aさんにはこのような発疹がないため、当てはまりません。
3:× 褥瘡は、骨の突き出た部分が長時間圧迫されて、皮膚に発赤や傷ができるものです。
Aさんの症状はかゆみと乾燥であり、褥瘡には当てはまりません。
4:○ 老人性皮膚掻痒症は、加齢で皮脂や汗が減り、皮膚が乾燥してかゆくなる病気です。
冬の乾燥、電気毛布による皮膚の乾燥、入浴で皮脂が落ちることが重なり、症状が悪化したと考えられます。
5:× 閉塞性動脈硬化症は、足の動脈が狭くなって血流が悪くなる病気です。
足の冷えやしびれ、歩くと足が痛む間欠性跛行が主な症状で、皮膚の乾燥によるかゆみとは異なります。
【ポイント】
老人性皮膚掻痒症の予防には、保湿剤の使用、熱すぎない湯での入浴、ナイロンタオルでこすらない、電気毛布の使いすぎを避けるなどの工夫が有効です。