〔事例〕
Dさん(男性、障害支援区分4)は、ベッカー型筋ジストロフィー(Becker muscular dystrophy)である。
自宅で家族と生活をしている。
Dさんは、食事は自立しているが、排泄、入浴に介護が必要である。
歩行はできず、移動は電動車いすを使用している。
絵を描くことが趣味であり、日中は創作活動に取り組んでいる。
これまでDさんは自宅で家族の介護を受けながら生活してきたが、Dさんの身体機能の低下に伴い、家族の介護負担が増えたため、居宅介護を利用することになった。
Dさんの疾患で生じる病態として、適切なものを1つ選びなさい。
正答1
解説
正解は1です。
ベッカー型筋ジストロフィーは、筋肉を保つたんぱく質(ジストロフィン)の遺伝子の異常によって起こる病気です。
筋線維が壊れて筋力が徐々に低下していきます。
同じ原因のデュシェンヌ型より発症が遅く、進行も緩やかです。
【選択肢別解説】
1:○ 筋ジストロフィーは、骨格筋の筋線維が変性・壊死して、筋力の低下や筋萎縮が進む病気です。
Dさんの疾患の病態として適切です。
2:× 運動神経の変性によって筋力が低下するのは、筋萎縮性側索硬化症(ALS)などです。
筋ジストロフィーは筋肉そのものの病気です。
3:× 網膜の変性によって視野が狭くなるのは、網膜色素変性症などです。
4:× 筋ジストロフィーは遺伝子の異常による病気で、自己免疫の低下によるものではありません。
自己免疫の異常で筋力が低下する病気には、重症筋無力症があります。
5:× 脳細胞の変性によって起こるのは、アルツハイマー型認知症などです。
【ポイント】
筋ジストロフィーは「筋肉の病気」、ALSは「運動神経の病気」と区別しましょう。
筋ジストロフィーでは、進行に伴って呼吸筋や心筋も障害されることがあります。