Aさん(75歳、男性)は、1年前に前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)と診断され、現在は、認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居している。
若い頃から食べることが好きである。
現在、咀嚼や嚥下機能の低下はなく、スプーンを使い、自分で食べている。
最近、飲み込む前に次々と食べ物を口に入れることが増えた。
次の記述のうち、Aさんの現在の状態に合わせた食事の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答2
解説
正解は2です。
Aさんは前頭側頭型認知症で、咀嚼や嚥下の機能低下はなく、スプーンを使って自分で食べています。
しかし最近、「飲み込む前に次々と食べ物を口に入れる」ことが増えています。
このままでは口の中に食べ物があふれ、窒息する危険があります。
【選択肢別解説】
1:× 取っ手つきのコップは、コップを握りにくい人のための工夫です。
次々と口に入れてしまうAさんの状態には対応していません。
2:○ 食器に少量ずつ盛りつけると、一度に口に入れる量を自然に減らせます。
Aさんが自分で食べる力を生かしながら、窒息の危険を防げます。
3:× すべての料理を並べると、目に入った料理を次々に口へ運んでしまい、詰め込みを助長します。
4:× 大きなスプーンにすると一口の量が増え、窒息の危険がさらに高まります。
5:× Aさんはスプーンを使って食べられています。
手で持って食べる物にすると、さらに次々と口に入れやすくなります。
【ポイント】
前頭側頭型認知症では、脱抑制や常同行動、食行動の変化(早食い、詰め込み、過食など)がみられます。
環境を調整して危険を防ぎ、本人が自分で食べられる状態を保つことが大切です。