Aさん(80歳、女性)は、脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症で左片麻痺があり、介護老人保健施設に入所して在宅復帰に向けた訓練をしている。
嚥下障害もあるため、経鼻経管栄養による栄養摂取をしているが、経口摂取できないことでイライラしてチューブを抜去したことがある。
医師からは一時的な治療であると説明を受けて同意していた。
経管栄養中に介護福祉士が訪室すると、チューブを触りながら、「自分の口から食べたいから、このチューブを抜いてほしい。見た目も良くない」と訴えがあった。
看護師に連絡し、チューブが抜けていないことを確認してもらった。
このときのAさんへの介護福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答3
解説
正解は3です。
Aさんは嚥下障害のため経鼻経管栄養を受けており、医師から一時的な治療だと説明を受けて同意しています。
しかし「自分の口から食べたいから、このチューブを抜いてほしい。見た目も良くない」と訴えています。
介護福祉士にできることと、医療職の判断が必要なことを区別して考えます。
【選択肢別解説】
1:× 手を固定してチューブを抜けないようにすることは、身体拘束にあたります。
緊急やむを得ない場合の要件を満たしておらず、行ってはなりません。
2:× 滴下速度は医師の指示によって決められています。
介護福祉士が自分の判断で変更すると、嘔吐や誤嚥などの危険があります。
3:○ 「自分の口から食べたい」「見た目も良くない」というAさんの思いを、医師や看護師に伝えることは介護福祉士の大切な役割です。
医療職が治療方針や今後の見通しを検討するための情報となります。
4:× 胃ろうの造設は医療的な判断が必要な処置です。
介護福祉士が提案するものではありません。
5:× Aさんには嚥下障害があり、経口摂取を始めるかどうかは医師が判断します。
介護福祉士が提案すると誤嚥の危険があります。
【ポイント】
医療的ケアの場面では、利用者の思いや変化を医療職に伝える「つなぐ役割」が介護福祉士に求められます。
身体拘束や独断での処置の変更は行いません。