〔事例〕
Dさん(38歳、男性、障害支援区分3)は、1年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症し左片麻痺となった。
後遺症として左同名半盲、失行もみられる。
現在は週3回、居宅介護を利用しながら妻と二人で生活している。
ある日、上着の袖に頭を入れようとしているDさんに介護福祉職が声をかけると、「どうすればよいかわからない」と答えた。
普段は妻がDさんの着替えを手伝っている。
食事はスプーンを使用して自分で食べるが、左側にある食べ物を残すことがある。
Dさんは、「左側が見づらい。動いているものにもすぐに反応ができない」と話した。
最近は、日常生活の中で、少しずつできることが増えてきた。
Dさんは、「人と交流する機会を増やしたい。また、簡単な生産活動ができるようなところに行きたい」と介護福祉職に相談した。
Dさんへの食事の支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答5
解説
正解は5です。
Dさんには左同名半盲があり、「左側にある食べ物を残すことがある」「左側が見づらい」と話しています。
左同名半盲は、両目とも視野の左半分が見えなくなる状態です。
見えている右側に食事を寄せて配膳すれば、Dさんは食べ物を見つけて自分で食べられます。
【選択肢別解説】
1:× 食べ残しの原因は、左側の食べ物が見えないことです。
食事の量を減らしても解決せず、栄養不足につながります。
2:× テーブルの高さは、食べ残しの原因である見え方の問題とは関係ありません。
3:× Dさんはスプーンを使って自分で食べることができています。
手を介助する必要はありません。
4:× バネつき箸は、握る力や指先の動きが弱い人のための道具です。
Dさんの見え方の問題には対応していません。
5:○ 食事を本人から見て右寄りに配膳すると、見えている右側の視野に食べ物が入ります。
自分で残さず食べられるようになる適切な支援です。
【ポイント】
左同名半盲や左半側空間無視のある人には、見えている右側に物を置く工夫をします。
あわせて、左側に注意を向けるよう声をかけることも有効です。