〔事例〕
Cさん(83歳、女性)は、一人暮らしで、近所に買い物に行く以外はテレビを見て過ごしている。
近県に息子がいるが、仕事が忙しく、会いに来ることはあまりなかった。
ある日、息子が久しぶりに訪問すると、部屋の中がごみや衣類などで散らかっていた。
病院を受診するとCさんはアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断され、要介護1と認定された。
Cさんは、時々、電気湯沸しポットの使い方がわからなくなって湯が出せなかったり、お茶を入れる順番がわからずに混乱する様子が見られた。
心配した息子は、介護保険サービスを利用することにした。
後日、介護支援専門員(ケアマネジャー)が訪問し、介護保険サービスの利用についてCさんや息子と話し合った。
週2回、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになり、介護支援専門員(ケアマネジャー)は、「自宅で、衛生的な生活ができる」をケアプランの長期目標とした。
Cさんを担当する訪問介護員(ホームヘルパー)は、サービス提供責任者と共に訪問介護計画書を作成することになった。
次の記述の中で、短期目標として、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答5
解説
正解は5です。
訪問介護計画の短期目標を立てる問題です。
ケアプランの長期目標は「自宅で、衛生的な生活ができる」です。
Cさんはアルツハイマー型認知症と診断され、部屋が散らかり、ポットの使い方やお茶を入れる順番がわからなくなることがあります。
短期目標は、長期目標に向けた段階的な目標として、Cさんの現状から実現できる具体的な内容にします。
【選択肢別解説】
1:× 1人で掃除をすることは、今のCさんにとって達成が難しい目標です。
手順がわからなくなることがあるため、まずは支援を受けながら行う段階から始めます。
2:× ポットを使って1人でお茶を入れることは、衛生的な生活という長期目標と直接結びつきません。
また、手順がわからず混乱している現状から、すぐに達成するのは困難です。
3:× 「残存機能に着目して支援する」は、支援する側の方針であり、Cさんの目標ではありません。
目標はCさんを主語にして、到達する状態を表します。
4:× 息子に訪問してもらうことは、訪問介護計画の目標ではありません。
息子は仕事が忙しく、週2回の訪問は現実的でもありません。
5:○ 訪問介護員と一緒に掃除ができるようになることが適切です。
Cさんができる部分を生かしながら一緒に行うことで、長期目標である衛生的な生活に向けて段階的に力をつけていけます。
【ポイント】
短期目標は、長期目標の達成につながり、本人の現状から実現可能で、評価できる具体的な内容にします。
訪問介護では、利用者と一緒に家事を行う「自立生活支援のための見守り的援助」も身体介護として位置づけられています。