〔事例〕
Jさん(83歳、女性)は一人暮らしである。
人と付き合うのが苦手で、近所付き合いもあまりなく、一人で静かに生活していた。
80歳を過ぎた頃から右膝に痛みが出て、変形性膝関節症(knee osteoarthritis)と診断されたが、近くのスーパーへの買物や、近所の散歩には出かけていた。
1か月ほど前から膝の痛みが悪化し、散歩にも行かなくなった。
食事量が減って痩せてきてしまい、一日中、座ってテレビを見て過ごしている。
現在のJさんに心配される病態として、最も適切なものを1つ選びなさい。
正答1
解説
正解は1です。
Jさんは、膝の痛みが悪化して散歩に行かなくなり、「食事量が減って痩せてきて」「一日中、座ってテレビを見て過ごしている」状態です。
もともと近所付き合いも少なく、活動量の低下、低栄養、社会的な孤立が重なっています。
【選択肢別解説】
1:○ フレイルとは、加齢に伴い心身の活力が低下し、要介護状態になる危険が高まった状態です。
体重減少、活動量の低下などが特徴で、Jさんの状態に当てはまります。
2:× 不定愁訴は、頭痛やだるさなど、原因がはっきりしない体の不調を訴えることです。
事例にはそのような訴えはありません。
3:× 寛解は、病気の症状が軽くなったり一時的に消えたりした状態です。
Jさんは膝の痛みが悪化しており、当てはまりません。
4:× 不穏は、落ち着きがなく、興奮したり動き回ったりする状態です。
Jさんは静かに座って過ごしており、当てはまりません。
5:× せん妄は、急に起こる意識の障害で、注意力の低下や幻覚などがみられます。
Jさんに意識の混乱を示す情報はありません。
【ポイント】
フレイルの代表的な基準には、体重減少、疲れやすさ、歩行速度の低下、握力の低下、身体活動量の低下があります。
早めに気づいて、栄養と運動、社会参加を支援すれば、健康な状態に戻ることもできます。