40歳の男性。
バドミントンでジャンプして着地した際、右下腿部に棒で殴られたような衝撃を感じプレー続行不能となった。
術者が左手で下腿部を把持した状態の写真(別冊No.5)を別に示す。
初期の固定肢位で正しいのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
着地時に下腿後面を棒で殴られたような衝撃を感じ、プレー続行不能となる典型的な経過から、アキレス腱断裂が考えられます。
写真では、患者が椅子の上に膝をついて膝関節を屈曲し、下腿を立てて足部を浮かせた肢位をとり、術者が手で下腿三頭筋の筋腹を握っています。
これはトンプソンテスト(シモンズテスト)で、アキレス腱断裂では筋腹を握っても足関節が底屈しません。
【選択肢別解説】
1:× 膝関節伸展位・足関節背屈位は誤りです。
膝伸展・足関節背屈では腓腹筋とアキレス腱が最も伸張され、断端が大きく離開してしまいます。
2:× 膝関節伸展位・足関節底屈位は誤りです。
足関節底屈で断端は近づきますが、膝伸展位では二関節筋である腓腹筋が伸張されるため、断端の接近が不十分です。
3:× 膝関節軽度屈曲位・足関節背屈位は誤りです。
足関節を背屈するとアキレス腱の断端が引き離されるため、癒合が得られません。
4:○ 膝関節軽度屈曲位・足関節底屈位が正しいです。
膝を軽く曲げて腓腹筋を緩め、足関節を底屈(尖足位)にすると断端が最も近づき、腱の癒合が促されます。
【ポイント】
アキレス腱断裂の保存療法では、初期は膝関節軽度屈曲位・足関節最大底屈位で固定し、経過に応じて段階的に底屈角度を減らします。
受傷時の断裂音、断裂部の陥凹の触知、つま先立ち不能も重要な所見です。