11 歳の女児。
女子野球部の右投げピッチャーである。
繰り返しの投球動作で右肩部に痛みを自覚していたが、徐々に悪化し安静時も痛むようになってきたため来所した。
肩関節可動域は正常で、他動で痛みは増悪しない。
約 4 週の安静を指導し痛みが消失した。
考えられるのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
11歳の投手で、繰り返しの投球で肩の痛みが徐々に悪化しています。
可動域は正常で他動運動では痛まず、約4週の安静で痛みが消えています。
成長期の投球障害である、いわゆるリトルリーガーズショルダーの経過です。
【選択肢別解説】
1:× 肩関節周囲炎は中高年に多い疾患です。
痛みとともに肩関節の可動域が制限されるのが特徴で、可動域が正常な11歳の本例とは合いません。
2:× 棘上筋腱損傷は主に中高年の腱の変性を基盤に起こり、外転筋力の低下や有痛弧がみられます。
小児の本例では考えにくい損傷です。
3:○ 上腕骨近位骨端線離開が考えられます。
成長期の骨端線(成長軟骨板)は力学的に弱く、投球動作のねじれと牽引のストレスが繰り返し加わって骨端線が開大します。
投球の中止と安静で多くは改善します。
4:× 上腕骨大結節裂離骨折は、転倒などの1回の強い外力で生じる急性外傷です。
繰り返しの投球で徐々に悪化した本例の経過とは合いません。
【ポイント】
リトルリーガーズショルダーは上腕骨近位骨端線の障害で、単純エックス線写真で健側と比べると骨端線の開大がわかります。
肘の投球障害(野球肘)とあわせて、成長期の投球障害として覚えましょう。