50 歳の男性。
日常生活で肩関節外転時に痛みを自覚したため来所した。
肩部に腫脹はないが、肩関節外転筋力が低下している。
肩内旋・屈曲で痛みを訴えるが、肩外旋・屈曲あるいは肩伸展では痛みを訴えない。
肘関節屈曲に対する前腕への抵抗運動では痛みを訴えない。
考えられるのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
肩関節外転時の痛みと外転筋力の低下があり、腫脹はありません。
内旋位での屈曲では痛み、外旋位での屈曲や伸展では痛まず、肘屈曲への抵抗運動でも痛みません。
これらの徒手検査の結果から、損傷した組織を絞り込みます。
【選択肢別解説】
1:× SLAP損傷は、上腕二頭筋長頭腱が付着する関節唇上方の損傷です。
上腕二頭筋に負荷をかける肘屈曲の抵抗運動で痛みが出やすく、本例では陰性なので考えにくい損傷です。
2:○ 棘上筋腱損傷が考えられます。
棘上筋は肩関節外転の初動を担うため、損傷すると外転筋力が低下します。
内旋位で屈曲すると大結節が肩峰下に入り込み、棘上筋腱が圧迫されて痛みます。
外旋位では大結節が肩峰下を避けるため痛みが出にくくなります。
3:× 肩甲下筋腱損傷では、肩関節の内旋筋力低下が主体です。
リフトオフテストやベリープレステストで評価し、外転筋力の低下は主な所見ではありません。
4:× 上腕二頭筋長頭腱炎では、肘屈曲や前腕回外への抵抗運動(ヤーガソンテストなど)で結節間溝部に痛みが出ます。
本例ではこの抵抗運動で痛みがないため考えにくい疾患です。
【ポイント】
棘上筋の評価には、内旋位で挙上させるエンプティカンテストやドロップアームテストを用います。
上腕二頭筋長頭腱の評価には、ヤーガソンテストとスピードテストを用います。