70 歳の男性。
30 分前から続く激しい胸の痛みと冷や汗を訴えている。
2 週前から歩くときに胸の痛みを感じたが、休むと治るので放置していた。
高血圧症、糖尿病、脂質異常症にて近医に通院中である。
喫煙歴がある。
皮膚に異常はない。
疑われるのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
30分以上続く激しい胸痛と冷や汗は、急性心筋梗塞を強く疑わせる症状です。
2週前からの労作時の胸痛は不安定狭心症と考えられ、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙という冠危険因子もそろっています。
【選択肢別解説】
1:× 胆嚢炎は疑われません。
胆嚢炎では右上腹部痛と発熱が主体で、脂肪の多い食事のあとに起こりやすく、労作で誘発される胸痛とは合いません。
2:○ 心筋梗塞が疑われます。
冠動脈が閉塞して心筋が壊死すると、安静にしても治まらない激しい胸痛と冷や汗が起こります。
先行する労作時の胸痛と多くの冠危険因子も心筋梗塞を支持します。
3:× 帯状疱疹は疑われません。
帯状疱疹では神経の走行に沿って痛みと帯状の水疱が出現しますが、本例は皮膚に異常がありません。
4:× 尿路結石は疑われません。
尿路結石では腰背部から下腹部にかけての激しい疝痛と血尿がみられ、労作時の胸痛は起こりません。
【ポイント】
狭心症の胸痛は数分で治まり、ニトログリセリンが有効ですが、心筋梗塞では30分以上続き無効です。
心筋梗塞の診断には心電図のST上昇と、心筋トロポニンなどの心筋逸脱酵素の上昇が重要です。