14歳の男子。
肥満体型。
はっきりとした原因はなく、1か月位前から遊んでいるときに、右膝に痛みを感じるようになったため来所した。
3日前から右膝部や股関節部の痛みが増強してきたと訴えている。
腫脹、圧痛、熱感はみられないが、下肢の他動運動で股関節に屈曲制限がみられた。
最も考えられるのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
肥満体型の14歳男子が、明らかな原因なく膝の痛みを訴え、のちに股関節部の痛みも増強し、股関節の屈曲制限がみられた症例です。
思春期の肥満男子で膝痛から始まる股関節疾患として、大腿骨頭すべり症が最も考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 大腿骨骨肉腫は10歳代に多い悪性腫瘍で、大腿骨遠位部に好発します。
夜間痛や局所の腫脹、熱感を伴うことが多く、腫脹や熱感のない本症例とは合いません。
2:× 単純性股関節炎は3〜10歳ごろの幼児期から学童期に多く、数日から2週間程度で自然に軽快します。
14歳での1か月に及ぶ経過とは合いません。
3:○ 大腿骨頭すべり症は、肥満傾向のある10〜15歳前後の男子に多く、骨端線で骨頭が後下方へすべる疾患です。
閉鎖神経を介した関連痛で膝痛として発症することがあり、股関節の屈曲制限がみられる点も一致します。
4:× 腸腰筋膿瘍は腸腰筋に膿がたまる感染症で、発熱や炎症反応を伴います。
熱感がなく発熱の記載もない本症例とは合いません。
【ポイント】
膝痛を訴える思春期の肥満男子では、膝ではなく股関節の大腿骨頭すべり症を必ず疑いましょう。
股関節を屈曲すると外旋してしまうドレーマン徴候が特徴的な所見です。