35歳の男性。
板前をしている。
約1か月前、調理中に右前腕近位橈側に違和感を自覚し、その後に指が動きにくくなったとのことで来所した。
第2~5MP 関節の伸展が不能であった。
感覚障害はみられない。
他に考えられる症状はどれか。
正答1
解説
正解は1です。
前腕近位橈側の違和感のあと、第2〜5指のMP関節が伸展できなくなり、感覚障害はない症例です。
手関節の背屈は保たれて指の伸展だけができない下垂指で感覚障害がないことから、後骨間神経麻痺が考えられます。
【選択肢別解説】
1:○ 後骨間神経は、長母指外転筋、短母指伸筋、長母指伸筋も支配しています。
そのため麻痺すると母指の橈側外転や伸展ができなくなり、指の伸展障害とともにみられる症状です。
2:× フローマン徴候は、母指内転筋の麻痺を長母指屈筋で代償するため、紙をつまむと母指IP関節が屈曲する徴候です。
尺骨神経麻痺でみられるもので、後骨間神経麻痺ではみられません。
3:× つまみ動作不能は、長母指屈筋と示指の深指屈筋が麻痺する前骨間神経麻痺でみられる症状です。
後骨間神経麻痺では屈筋は障害されません。
4:× ティアドロップサインは、母指と示指で丸を作るとIP関節とDIP関節が伸展し涙のしずく型になる徴候です。
前骨間神経麻痺でみられるもので、後骨間神経麻痺の所見ではありません。
【ポイント】
後骨間神経麻痺は「下垂指・感覚障害なし・手関節背屈時の橈屈」、前骨間神経麻痺は「つまみ動作不能・ティアドロップサイン・感覚障害なし」と対で覚えましょう。