55歳の男性。
仕事中に突然ろれつが回らなくなり、意識レベルの低下と左半身の脱力を生じ、近医に搬送された。
右中大脳動脈領域の脳梗塞と診断され、保存的加療が行われた。
直接嚥下訓練を開始すべきでない症状はどれか。
正答4
解説
正解は4です。
この問題は直接嚥下訓練を開始すべきでない症状を選ぶので、○ が答え(開始すべきでない症状)です。
直接嚥下訓練は実際に食物を使う訓練で、誤嚥の危険を伴います。
開始の条件として、意識がはっきりしていること(Japan Coma Scaleで1桁)や全身状態が安定していることが求められます。
【選択肢別解説】
1:× 左片麻痺があるだけでは、直接嚥下訓練を開始すべきでない理由になりません。
姿勢を整えるなどの工夫をすれば訓練は可能です。
2:× 構音障害があるだけでは、開始すべきでない理由になりません。
構音障害は話すための器官の運動障害で、嚥下障害と同じではありません。
3:× 半側空間無視があるだけでは、開始すべきでない理由になりません。
食器を見える側に置くなどの配慮で訓練を進められます。
4:○ Japan Coma Scale(JCS)10は直接嚥下訓練を開始すべきでない状態です。
JCS10は普通の呼びかけで開眼する2桁の意識障害で、覚醒が不十分なため誤嚥の危険が高いからです。
【ポイント】
JCSは1桁が刺激なしで覚醒、2桁が刺激で覚醒、3桁が刺激しても覚醒しない状態です。
意識障害がある間は、食物を使わない間接嚥下訓練から始めます。