42歳の男性。
マラソン愛好家。
ランニング後に右足底踵部のしびれを自覚し、1か月間症状が変わらないため来所した。
足趾を他動的に背屈しても症状に変化はなかったが、その際に内果部に当てた検者の母指の圧迫によって症状が増悪した。
超音波観察を行ったところ、同部に境界明瞭な低エコーの腫瘤がみられた。
考えられるのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
足底踵部のしびれが内果部の圧迫で増悪しており、内果後下方の足根管を通る脛骨神経の障害が考えられます。
これは足根管症候群です。
さらに同部に境界明瞭な低エコー腫瘤があり、その原因はガングリオンと考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 足底腱膜炎は踵骨隆起内側の足底腱膜付着部の障害で、しびれではなく痛みが主症状です。
足趾を背屈すると腱膜が伸張されて痛みが増しますが、本例では変化がありません。
2:× 踵骨疲労骨折は踵部の痛みが主症状で、踵骨を内外側から挟むと痛みが出ます。
内果部の圧迫でしびれが増悪することや、腫瘤がみられることはありません。
3:○ ガングリオンは関節包や腱鞘から生じ、ゼリー状の液体を含む嚢腫です。
超音波では境界明瞭な低エコー像を示します。
足根管内に生じると脛骨神経を圧迫し、足底のしびれを起こします。
4:× モートン病は、足趾の付け根で趾神経が深横中足靱帯に圧迫される障害で、第3・第4趾間に多いです。
しびれは前足部から足趾に生じ、踵部ではありません。
【ポイント】
足根管は内果の後下方で屈筋支帯に覆われ、脛骨神経や後脛骨筋腱、長趾屈筋腱、長母趾屈筋腱が通ります。
足根管部を叩くとしびれが放散するティネル徴候も診断に用います。