25歳の男性。
草野球でボールを打った瞬間から手のひらに強い痛みを自覚し、その後バットが握れなくなったため翌日来所した。
図の部位に強い圧痛と腫脹があり、握り動作によって痛みが増強した。
考えられるのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
図の×印は、手掌の尺側で手関節皮線のやや遠位、小指球の基部にあたります。
この部位には有鈎骨鈎があり、バットのグリップエンドが当たる場所です。
打撃時の衝撃で生じる骨折として、有鈎骨鈎骨折が考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 有頭骨は手根部の中央、第3中手骨の基部近位にあります。
圧痛は手掌尺側ではなく手関節の中央にみられるはずで、骨折もまれです。
2:× 月状骨は手関節の中央、橈骨の遠位にあります。
図の小指球基部の圧痛とは位置が合いません。
3:× 三角線維軟骨複合体(TFCC)は尺骨頭と手根骨の間にあり、圧痛は尺骨茎状突起の遠位にみられます。
痛みは握り動作より尺屈や回内外で出るのが特徴で、図の部位とも異なります。
4:○ 有鈎骨鈎は豆状骨の遠位橈側で、手掌尺側に触れます。
バットやゴルフクラブのグリップエンドによる衝撃で骨折し、握り動作で疼痛が増強します。
図の圧痛部位と症状が一致します。
【ポイント】
有鈎骨鈎骨折は通常の手関節正面像では写りにくく、手根管撮影やCTが必要になることがあります。
鈎の近くを尺骨神経と屈筋腱が通るため、尺骨神経障害や屈筋腱断裂を合併することがあります。