16歳の男子。
高校の野球部でピッチャーをしている。
2週前から練習後に肩周囲のだるさを自覚するようになったが、そのまま練習を続けていた。
1週前から日常生活で頭を洗う動作など、上肢を挙上位に保つとしびれがひどくなるため来所した。
肩の屈曲・外転制限や大結節部の圧痛はない。
陽性になる検査法はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
上肢挙上位でしびれが増悪する投手の症例で、陽性となる検査法を問う問題です。
腱板の症状(屈曲・外転制限、大結節部の圧痛)がなく、頭を洗う動作など挙上位の保持でしびれが強くなる点から、胸郭出口症候群が考えられます。
胸郭出口症候群は、腕神経叢や鎖骨下動脈が斜角筋三角、肋鎖間隙、小胸筋の下などで圧迫されて生じます。
【選択肢別解説】
1:× ドロップアームテストは腱板断裂の検査です。
外転90度に保持した上肢をゆっくり下ろさせ、保持できずに落ちれば陽性とします。
本例は腱板症状がないため、陽性にはなりません。
2:○ モーリーテストが陽性になります。
鎖骨上窩の斜角筋三角部を指で圧迫し、圧痛や上肢への放散痛が生じれば陽性とします。
腕神経叢が圧迫されていることを示す、胸郭出口症候群の検査です。
3:× スピードテストは上腕二頭筋長頭腱炎の検査です。
結節間溝部の痛みをみる検査で、本例のしびれとは関係しません。
4:× トムゼンテストは上腕骨外側上顆炎(テニス肘)の検査です。
手関節の背屈に抵抗を加え、外側上顆部に痛みが出れば陽性とします。
【ポイント】
胸郭出口症候群の検査は、モーリーテスト、アドソンテスト、ライトテスト、エデンテスト、ルーステストを圧迫部位と合わせて覚えます。