16歳の女子。
自転車で転倒し、右母指が外転・伸展強制となり、同MP関節に強い疼痛が出現したため来所した。
右母指にZ字型の変形と弾発性固定を認める。
整復する際、最初に行う手技はどれか。
正答3
解説
正解は3です。
母指MP関節(中手指節関節)背側脱臼の整復手順を問う問題です。
外転・伸展強制で受傷し、Z字型変形と弾発性固定があることから、基節骨が中手骨頭の背側へ脱臼した母指MP関節背側脱臼と考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 最初に末梢へ牽引してはいけません。
牽引すると、掌側板や種子骨が中手骨頭と基節骨の間に引き込まれ、徒手整復が困難な複雑脱臼(ロッキング)に移行するおそれがあります。
2:× 最初に過屈曲にしてはいけません。
基節骨が中手骨頭の背側に乗ったまま屈曲すると、基節骨底が骨頭に引っかかって整復できません。
3:○ 最初に行う手技は過伸展です。
まず母指を過伸展して脱臼位を強め、基節骨底を中手骨頭の背側に沿わせます。
次に基節骨底を末梢方向へ押し出して骨頭を乗り越えさせ、最後に屈曲して整復を完了します。
4:× 長軸圧をかけることは整復手技ではありません。
長軸方向に圧迫しても基節骨は中手骨頭を乗り越えられず、関節面や軟部組織を傷めるだけです。
【ポイント】
MP関節背側脱臼の整復は「過伸展、押し出し、屈曲」の順です。
掌側板が介在する複雑脱臼では、徒手整復ができず観血的整復が必要になります。