正解は3です。
テニス中に下腿に激痛が起こり、損傷部に陥凹を触れる症例です。
下腿三頭筋を把持すると足関節が底屈した(トンプソンテスト陰性)ことから、アキレス腱の連続性は保たれています。
写真の a は下腿前面の近位外側寄り、b は下腿前面中央の内側寄り、c は下腿後面の近位で腓腹筋の筋腹〜筋腱移行部、d はアキレス腱部です。
【選択肢別解説】
1:× a ではありません。
a は下腿の前面にあり、足関節の背屈筋群や腓骨筋群がある部位です。
足関節の自動底屈で疼痛が出るという、底屈筋である下腿三頭筋の損傷を示す所見と合いません。
2:× b ではありません。
b は下腿前面の脛骨内側縁付近で、シンスプリントや脛骨疲労骨折の好発部位です。
急激な激痛と陥凹を生じる損傷の部位ではありません。
3:○ c が損傷部と考えられます。
テニスで踏み込んだ際に、膝伸展位のまま足関節が背屈されると腓腹筋が急激に引き伸ばされます。
その結果、腓腹筋(主に内側頭)の筋腱移行部に肉離れが生じ、テニスレッグと呼ばれます。
陥凹の触知、自動底屈時痛、トンプソンテスト陰性はいずれもこの損傷に合致します。
4:× d ではありません。
d のアキレス腱が断裂していれば、下腿三頭筋を把持しても足関節は底屈しません(トンプソンテスト陽性)。
本例では底屈がみられたため、アキレス腱断裂は否定されます。
【ポイント】
下腿後面の急な痛みでは、トンプソンテストでアキレス腱断裂と腓腹筋肉離れを鑑別します。
テニスレッグは中年に多い腓腹筋内側頭の肉離れと覚えましょう。