63 歳の女性。
特に誘因なく 3 週前から腰痛が出現したため受診した。
単純エックス線写真で第 1 腰椎の圧迫骨折を認め、骨密度を計測したところ、T 値(若年成人の平均値:YAM 値)に対する比率は 74 % であった。
誤っているのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
63歳の女性に、明らかな誘因なく腰痛が出現し、第1腰椎の圧迫骨折を認めています。
骨密度は若年成人平均値(YAM)の74%です。
骨粗鬆症の診断基準と治療が問われています。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
【選択肢別解説】
1:× 定期的な骨密度の測定を行うので、記述は正しいです。
治療の効果の判定や、病状の進み具合を確認するために、骨密度を定期的に測定します。
2:○ 骨密度の数値から骨粗鬆症と診断するのではありません。
骨密度だけで骨粗鬆症と診断するのは、YAMの70%以下の場合です。
本例の74%は、骨密度の数値だけでは骨粗鬆症の基準に達しません。
本例が骨粗鬆症と診断されるのは、誘因のない椎体骨折(脆弱性骨折)があるためです。
椎体骨折や大腿骨近位部骨折があれば、骨密度の値にかかわらず骨粗鬆症と診断します。
3:× 適度な運動を指導するので、記述は正しいです。
歩行などの運動は骨に適度な負荷を与えて骨量の維持に役立ち、筋力やバランスを保って転倒を防ぎます。
4:× 選択的エストロゲン受容体調整薬(SERM)の適応となるので、記述は正しいです。
閉経後の女性の骨粗鬆症では、骨に対してエストロゲンと同様に働き、骨吸収を抑えるSERMが用いられます。
【ポイント】
骨粗鬆症の診断は、椎体骨折か大腿骨近位部骨折があれば骨密度にかかわらず診断します。
その他の脆弱性骨折があればYAMの80%未満、脆弱性骨折がなければYAMの70%以下で診断します。