A さん(35 歳、初産婦)は身長 160 cm、体重 62 kg(非妊時 52 kg)である。
妊娠経過は順調であり、無痛分娩を希望している。
妊娠 38 週 0 日から、夜間に不規則な陣痛が始まり朝になると消失することを繰り返していた。
妊娠 38 週 5 日、 4 時間前から陣痛間欠時間 7 分、陣痛持続時間 40 秒の有痛性の子宮収縮が認められ入院した。
入院時の内診所見は、子宮口 3 cm 開大、展退度 70 %、Station −1 である。
「最近は夜あまり眠れていないし、疲れて食欲もない」と話す。
入院から 2 時間経過した。
A さんの痛みが増強したため、硬膜外麻酔による鎮痛を開始した。
内診所見は、子宮口 4 cm 開大、展退度 80 %、Station −1 である。
このときの助産師の対応で適切なのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
入院から2時間後に硬膜外麻酔による鎮痛を開始しています。
硬膜外麻酔中は、麻酔の作用で尿意が鈍くなる、誤嚥の危険がある、血圧が下がりやすい、胎児心拍が変化しやすいといった点に注意して管理します。
【選択肢別解説】
1:× 食事摂取を促すのは適切ではありません。
緊急帝王切開になった場合の誤嚥を防ぐため、固形物は控え、水などの清澄水にとどめます。
2:○ 定期的に導尿を行うのは適切です。
硬膜外麻酔では膀胱の感覚と排尿反射が抑えられ、尿意がないまま膀胱が充満しやすくなります。
膀胱の充満は児頭の下降や子宮収縮を妨げるため、時間を決めて導尿し膀胱を空にします。
3:× 仰臥位で過ごすよう説明するのは適切ではありません。
仰臥位では子宮が下大静脈を圧迫し、麻酔による血圧低下が強まって胎児への血流も低下するため、側臥位を中心に過ごします。
4:× 15分間隔で児心音を聴取するのは適切ではありません。
硬膜外麻酔中は、母体の血圧低下や子宮収縮の変化で胎児心拍が変わりやすいため、間欠的な聴取ではなく分娩監視装置で連続して胎児心拍数をモニタリングします。
【ポイント】
硬膜外麻酔の開始後は、血圧を頻回に測定し、胎児心拍数陣痛図を連続して記録します。
下肢のしびれや筋力低下があるため、転倒の予防と体位変換の介助も必要です。