A 市は臨海部に工業地帯を有し、市民の多くが大小の工場に勤務している。
県内他市に比べて、生活習慣病のリスクを高める飲酒量の者、喫煙者、肥満者の割合が高いこと、魚類摂取量や塩分摂取量が多いこと、定期健康診断の受診率が低いことが把握されている。
また、大腸癌の罹患率が高い一方で、検診受診率が低いことが課題となっている。
A 市は大腸癌について、検診受診率向上の対策とともに、予防対策も検討することにした。
同じ年に市区町村が実施した大腸がん検診受診者における検診と精密検査の受診状況について全国と A 市の実際の値を表に示す。
(%)
項目 全国 A 市
検診受診率 6.5 9.8
検診受診者における要精密検査者の割合 5.9 10.0
精密検査受診率 70.0 60.0
A 市の大腸がん予防対策で優先度が高いのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
全国とA市の大腸がん検診の受診状況を比べた表から、優先度の高い対策を選ぶ問題です。
表では、A 市は検診受診率9.8%(全国6.5%)、要精密検査者の割合10.0%(全国5.9%)、精密検査受診率60.0%(全国70.0%)です。
A 市は要精密検査者が多いのに、精密検査を受ける人の割合が全国より低いことが課題です。
【選択肢別解説】
1:× 検診の敏感度を上げると、要精密検査者がさらに増えます。
A 市はすでに要精密検査者の割合が全国より高く、精密検査を受けない人が多いことが課題なので、優先度は高くありません。
2:× 禁煙指導教室は、生活習慣の改善を通した予防として意味があります。
しかし、表から読み取れる課題は精密検査の受診率の低さであり、優先度の高い対策ではありません。
3:× 40歳代への検診の受診勧奨は、検診受診率を上げる対策です。
A 市の検診受診率は全国より高いため、この表から見た優先度は高くありません。
4:○ 要精密検査者に精密検査の受診を勧奨することが優先されます。
A 市は精密検査受診率が60.0%と全国より低く、検診で異常があっても4割の人が精密検査を受けていません。
精密検査を受けなければ大腸癌を早期に発見できず、検診の効果が失われてしまいます。
【ポイント】
がん検診の効果を高めるには、検診受診率だけでなく、精密検査受診率を高めることが重要です。
精密検査受診率の目標値は90%とされています。