Aさん(45歳、男性)は社員数80名の会社で経理事務に従事している。
発熱と咳が続いたため病院を受診したところ、画像診断で空洞を伴う肺病変があり、喀痰塗沫検査陽性、喀痰PCR検査陽性となったことから肺結核と診断され、結核病床のある病院に入院した。
抗結核薬による治療開始後6週で喀痰中の結核菌は陰性化したため、Aさんは退院し、外来で治療を継続することとなった。
薬剤感受性検査では1剤に耐性がみられたが、この薬剤はAさんの治療には使用されていない。
A さんが肺結核と診断された時点での感染性の強さを示唆するのはどれか。
2つ選べ。
正解を2つ選んでください。
正答2・4
解説
正解は2と4です。
肺結核の感染性の強さは、患者が喀痰中に排出する結核菌の量で評価します。
喀痰塗抹検査で菌が見えることと、胸部画像で空洞があることは、どちらも排菌量が多いことを示します。
【選択肢別解説】
1:× 発熱は結核に伴う全身症状ですが、他の感染症でもみられ、排菌量とは直接関係しません。
感染性の強さの指標にはなりません。
2:○ 喀痰塗抹検査は顕微鏡で直接結核菌を確認する検査で、陽性は喀痰中に多量の菌が排出されていることを示します。
接触者への感染性が高いと判断する根拠になります。
3:× PCR検査は結核菌の遺伝子を増幅して検出する検査で、少量の菌や死菌でも陽性になります。
菌の存在は確認できますが、排菌量や感染性の強さは評価できません。
4:○ 空洞のある病変の内部では結核菌が大量に増殖し、気管支を通じて喀痰とともに排出されます。
そのため空洞病変は感染性が強いことを示唆します。
5:× 薬剤耐性は、治療薬の選択や治療の難しさに関わる情報です。
耐性の有無によって感染性の強さが変わるわけではありません。
【ポイント】
感染性の評価は「喀痰塗抹陽性」「空洞あり」「咳の持続期間」が重要です。
接触者健診の範囲や優先度を決めるときにも、これらの情報が用いられます。