第103回 保健師国家試験 午後問102
運動習慣の死亡率に対する影響の調査のために1万人を対象とした10年間のコホート研究を行った。
本研究では、年齢、食習慣および経済状況など参加者の基礎的背景も併せて調査した。
脱落者を除いた結果を表に示す。
表
疾患別の死亡数(人) 観察人年
疾患A 疾患B 疾患C その他の疾患
運動習慣あり 100 20 5 200 40,000
運動習慣なし 140 100 10 400 40,000
合計 240 120 15 600 80,000
参加者の基礎的背景を補正しても、「運動習慣あり」の方が死亡率は有意に低かった。
しかし、この結果からは「運動すれば長生きできる」という結論を導くことはできない。
その理由はどれか。
正答1
解説
正解は1(介入研究ではない)。
本研究は観察研究(コホート研究)で、運動習慣を研究者が割り付けたものではないため、運動と長寿の因果関係を断定できない。
観察研究では運動習慣のある人は他の健康行動(食事・喫煙・受診行動)も良好で、未測定交絡(健康な人効果=healthy user effect)が結果に影響しうる。
1の介入研究(RCT)であれば運動を無作為割付できるため因果推論が強化される。
2の情報バイアスや3の二重盲検不実施、4の平均余命比較は副次的論点で、観察研究の本質的限界(交絡)には及ばない。
研究デザインと因果推論の階層(記述→分析→介入)の理解が疫学的批判的吟味の基礎となる。まとめて解く
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