正解を3つ選んでください。
正答1・2・5
解説
正解は1と2と5です。
顔面神経の枝ごとの支配筋と、顔面神経麻痺の治療法を問う問題です。
顔面神経は耳下腺の中で側頭枝・頬骨枝・頬筋枝・下顎縁枝・頸枝に分かれます。
【選択肢別解説】
1:○ 麻痺が長く続くと筋は萎縮します。
神経の支配を失った表情筋は、時間がたつと萎縮し線維化します。
2:○ 頬筋枝の損傷では口角挙上ができません。
頬筋枝は口角を引き上げる筋や口輪筋の上部などを支配します。
3:× 閉眼ができなくなるのは、主に頬骨枝の損傷です。
側頭枝は前頭筋を支配し、損傷すると額のしわ寄せや眉の挙上ができなくなります。
4:× 遊離筋肉移植は急性麻痺ではなく陳旧性麻痺の治療です。
急性麻痺には副腎皮質ステロイドや抗ウイルス薬などが用いられます。
5:○ 陳旧性麻痺の治療に側頭筋移行術があります。
側頭筋を口角などに移して、咬む動作で口角を動かせるようにする再建術です。
【ポイント】
回復の見込みがない陳旧性麻痺には、筋移行術や遊離筋肉移植による動的再建が行われます。
急性期は薬物治療が中心で、重症例では顔面神経減荷術が検討されます。
【用語】
頬筋枝:顔面神経の枝のひとつで、頬や口角まわりの筋を支配する。
側頭枝:顔面神経の枝のひとつで、前頭筋などを支配し、額のしわ寄せや眉の挙上に働く。
頬骨枝:顔面神経の枝のひとつで、眼輪筋などを支配し、目を閉じる動きに関わる。
遊離筋肉移植:身体の別の部位の筋を血管や神経ごと切り離し、顔に移して動きを再建する手術である。
側頭筋移行術:側頭筋の一部を口角や瞼に向けて移し、動きを補う再建手術である。
陳旧性麻痺:発症から長い時間がたち、自然な回復が見込めなくなった麻痺のことである。