58歳の男性小児期から中耳炎を繰り返しており、すでに複数回の手術を受けているが耳漏のコントロールは困難で、現在も半年以上耳漏が持続している両耳伝音難聴を認める補聴手段の適応となるのはどれか。
2つ選んでください
正解を2つ選んでください。
正答3・4
解説
正解は3と4です。
この男性は慢性中耳炎による両耳の伝音難聴で、耳漏が半年以上止まりません。
外耳道を耳栓などでふさぐ気導補聴器は、耳漏を悪化させるため使いにくい状態です。
外耳道をふさがずに音を伝える方法が適応になります。
【選択肢別解説】
1:× ポケット型補聴器は適応になりません。
イヤホンを外耳道に入れる気導補聴器で、外耳道をふさいで耳漏を悪化させます。
2:× RIC補聴器は適応になりません。
外耳道にレシーバーを入れる気導補聴器で、同じく外耳道をふさぎます。
3:○ BAHA(骨固定型補聴器)は適応になります。
側頭骨に固定した装置から骨導で直接内耳に音を伝えるため、外耳道や中耳を通らずに聞こえます。
4:○ 軟骨伝導補聴器は適応になります。
耳の入り口の軟骨に振動子を当てて音を伝えるため、外耳道をふさがずに使えます。
5:× 人工内耳は適応になりません。
内耳の機能が保たれた伝音難聴では、両側の高度以上の感音難聴を対象とする人工内耳は適応外です。
【ポイント】
耳漏の続く慢性中耳炎や外耳道閉鎖症では、骨導補聴器、BAHA、軟骨伝導補聴器が選択肢になります。
伝音難聴では内耳が保たれているため、骨導で音を届ければよく聞こえます。
【用語】
BAHA:骨固定型補聴器の略称で、側頭骨に埋め込んだ固定具を介し、骨導で内耳に音を伝える。
軟骨伝導補聴器:耳の入り口の軟骨に振動子を当てて、外耳道をふさがずに音を伝える補聴器である。
RIC補聴器:レシーバーを外耳道内に置く形式(Receiver In Canal)の耳かけ型補聴器で、本体と細い線でつなぐ。
ポケット型補聴器:本体をポケットなどに入れ、コードでつないだイヤホンで聞く補聴器である。
耳漏:耳から膿や分泌物が流れ出る症状で、慢性中耳炎などでみられ、長く続くことがある。
伝音難聴:外耳や中耳の障害により、音が内耳へ十分に伝わらないために生じる難聴である。