正答3・4・5
解説
本問は採点除外(公式で4と5のどちらも正解とされた問題)です。
厚生労働省の正答では「4又は5」とされ、4と5のどちらも正解として扱われました。
子どもは文を理解するとき、語の意味による理解、語順による理解、助詞による理解の順に方略を発達させます。
関係節を含む文や補文を含む文の理解は、助詞と語順の両方を正しく処理する必要があり、最も遅く到達する段階です。
難聴児では、特に助詞の習得が遅れやすいとされます。
【選択肢別解説】
1:× 可逆文を語順によって理解する方略(最初の名詞を動作をする人とみなす)は、助詞による理解より早く獲得されます。
到達が遅い項目ではありません。
2:× 非可逆単文は、語の意味(誰が何をするかの常識)から理解できます。
そのため最も早く到達します。
3:△ 可逆文を助詞(「が」「を」など)の働きによって理解することは、語順の方略の後に獲得される段階です。
到達の遅い項目といえますが、公式の正答には含まれていないため△とします。
4:○ 関係節を含む可逆文は構造が複雑で、助詞と語順の両方を正しく処理する必要があります。
そのため到達が遅い項目です。
5:○ 文を中に含む(補文をとる)動詞を使った可逆文の理解も、動詞の意味と助詞の働きを合わせて処理する必要があります。
そのため到達が遅い項目です。
【ポイント】
STCでは、どの方略で文を理解しているかから、構文の発達段階を判断します。
難聴児の言語指導では、助詞の理解と使用を重点的に支援します。
【用語】
STC:新版構文検査・小児版のことで、子どもの文の理解力を評価する検査である。
可逆文:「犬が猫を追いかける」のように、名詞を入れ替えても意味の通る文で、語順や助詞の理解が必要である。
関係節文:名詞を修飾する節をもつ文で、理解には複雑な文構造の把握が必要である。
非可逆単文:名詞を入れ替えると意味が成り立たなくなる単文で、語の意味だけから理解できる。