正解を2つ選んでください。
正答3・4
解説
正解は3と4です。
難聴の原因ごとに、検査でどのような結果が予測されるかを問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 外傷性鼓膜穿孔でティンパノメトリがC型になるというのは誤りです。
C型は鼓室内が陰圧になったときの型です。
鼓膜に穿孔があると圧の変化を測れず、ピークのない平坦な型になります。
2:× GJB2遺伝子変異で気導骨導差のある聴力になるというのは誤りです。
GJB2は日本人の先天性難聴で最も多い原因遺伝子で、内耳性の感音難聴を来すため、気導骨導差は生じません。
3:○ SLC26A4遺伝子変異で聴覚閾値が変動するのは正しいです。
前庭水管拡大症やペンドレッド症候群の原因遺伝子で、頭部打撲などを契機に聴力が変動し、進行します。
4:○ ムンプス難聴で一側の聴力がスケールアウトするのは正しいです。
多くは一側性の高度感音難聴(聾)で、オージオグラムでは患側が測定限界を超えるスケールアウトとなります。
5:× auditory neuropathy spectrum disorder(ANSD)と遅延側音効果の組合せは誤りです。
ANSDでは、耳音響放射は正常でも聴性脳幹反応が無反応か異常になるのが特徴です。
遅延側音効果は、機能性難聴の検査に用いられます。
【ポイント】
ANSDは「耳音響放射は正常、聴性脳幹反応は異常」と覚えましょう。
SLC26A4は「前庭水管拡大・変動する難聴」、ムンプスは「一側性の高度難聴」です。
【用語】
GJB2遺伝子変異:先天性難聴の原因として最も多い遺伝子の変異で、蝸牛の障害による難聴をきたす。
SLC26A4遺伝子変異:前庭水管拡大を伴う難聴の原因となる遺伝子の変異で、聴力が変動しやすい。
スケールアウト:オージオメータの最大出力でも反応が得られず、聴力が測定できない状態である。
auditory neuropathy spectrum disorder:内耳の働きは保たれるのに、音の情報が聴神経以降にうまく伝わらない難聴である。
遅延側音効果:自分の声をわずかに遅れて聞かせると、発話が乱れる現象である。
ティンパノメトリ:外耳道の圧を変えながら鼓膜の動きやすさを調べ、中耳の状態を評価する検査である。