正答5
解説
正解は5です。
声門裂を開く(声帯を外転させる)唯一の筋は、後輪状披裂筋です。
後輪状披裂筋は輪状軟骨板の後面から起こり、披裂軟骨の筋突起に付着します。
筋突起を後方へ引くことで披裂軟骨が回転し、声帯突起が外側へ開きます。
【選択肢別解説】
1:× 輪状軟骨弓-甲状軟骨板は、輪状甲状筋の起始と停止に当たります。
輪状甲状筋は声帯を前後に引き伸ばして緊張させ、声を高くする筋です。
2:× 甲状軟骨角-披裂軟骨声帯突起は、甲状軟骨の内面から声帯突起に付く甲状披裂筋(内筋)の走行に当たります。
この筋は声帯を緊張させ、声門を閉じる方向に働きます。
3:× 左右の披裂軟骨を結ぶ組合せは、披裂筋(横披裂筋・斜披裂筋)を想定したものです。
披裂筋は左右の披裂軟骨を引き寄せて、声門の後部を閉じます。
4:× 輪状軟骨弓-披裂軟骨筋突起は、外側輪状披裂筋の起始と停止です。
筋突起を前方へ引いて声帯突起を内側に回し、声門を閉じます。
5:○ 輪状軟骨板-披裂軟骨筋突起は、後輪状披裂筋の起始と停止です。
声門を開く唯一の筋であり、吸気時に声門を広げます。
【ポイント】
同じ筋突起に付く筋でも、後方の輪状軟骨板から引く後輪状披裂筋は開大、側方の輪状軟骨弓から引く外側輪状披裂筋は閉鎖と、作用が逆になります。
後輪状披裂筋が両側とも麻痺すると声門が開かず、呼吸困難を来します。
【用語】
声門裂:左右の声帯の間にできる隙間で、呼吸時には開き、発声時には閉じる。
後輪状披裂筋:輪状軟骨の後面と披裂軟骨を結び、声帯を開く方向に動かす筋である。
披裂軟骨筋突起:披裂軟骨の外側に突き出た部分で、声帯を開閉する筋が付着する。
輪状軟骨板:輪状軟骨のうち後方に広がる板状の部分で、後輪状披裂筋が起こる場所である。
輪状甲状筋:輪状軟骨と甲状軟骨を結び、声帯を前後に引き伸ばして緊張させ、声を高くする筋である。
外側輪状披裂筋:輪状軟骨の側方から披裂軟骨の筋突起に付き、声帯突起を内側に回して声門を閉じる筋である。