55歳の男性。
高血圧を指摘されている。
昨日右片麻痺と言語障害が出現したが、1時間で症状はすべて消失した。
その後は症状はない。
バスの運転手で本日も朝から仕事の予定である。
適切な助言はどれか。
正答1
解説
正解は1です。
症状が1時間で完全に消失していることから、一過性脳虚血発作(TIA)が最も疑われます。
TIAは脳梗塞の前触れであり、発症後早期に脳梗塞を起こす危険が高い状態です。
そのため、ただちに専門医を受診させる必要があります。
【選択肢別解説】
1:○ 今すぐ専門医を受診するよう助言するのが適切です。
高血圧の既往もあり、早期の検査と治療開始によって脳梗塞の発症を防ぐことができます。
2:× 自宅での休養は不適切です。
休んでいても脳梗塞の危険は下がらず、受診が遅れるだけです。
3:× 午前中に運転させるのは不適切です。
運転中に脳梗塞を起こせば、乗客を含む重大な事故につながります。
受診も遅れます。
4:× 今日運転して明日受診するのも不適切です。
TIA後の脳梗塞は最初の数日以内、とくに48時間以内に起こりやすいとされます。
5:× 運転を続けてよいと伝えるのは誤りです。
症状が消えていても原因は残っており、精査と治療が必要です。
【ポイント】
TIAは「症状が消えたから安心」ではなく、「脳梗塞の警告サイン」です。
発症後早期の受診と治療が、その後の脳梗塞の発症を大きく減らします。
【用語】
一過性脳虚血発作:脳の血流が一時的に滞って麻痺などの症状が現れ、短時間で消える発作でTIAと略される。
片麻痺:身体の左右どちらか半分の手足に運動麻痺が起こる状態である。
脳梗塞:脳の血管が詰まり、その先の脳組織が壊死する病気である。