正答4
解説
正解は4です。
インシデントレポートは、医療事故につながりかねない事象を報告し、組織で再発防止に生かすための仕組みです。
患者に実害がなかった事例も含めて報告し、原因を分析することが重視されます。
【選択肢別解説】
1:× 情報共有を同一職種内に留めるのは誤りです。
インシデントは多職種が関わる業務の中で起こるため、職種を越えて組織全体で共有します。
2:× 提出数が少ないほど医療の質が高いとはいえません。
報告が少ないのは、事象が起きていないのではなく報告されていないだけの可能性があります。
報告しやすい安全文化がある組織ほど提出数は多くなります。
3:× 医療安全支援センターへの報告義務はありません。
医療安全支援センターは都道府県などが設置する、患者・家族からの相談に応じる窓口です。
インシデントレポートは院内の安全管理部門に提出するものです。
4:○ 健康被害がなくても、誤りや過失があれば提出します。
患者に影響が出る前に発見された事例や、実施したが害がなかった事例こそが、重大事故を防ぐ手がかりになるからです。
5:× 当事者の責任追及は目的ではありません。
目的は原因を分析して再発を防ぐことであり、報告者を罰しない姿勢が報告を促します。
【ポイント】
ハインリッヒの法則では、1件の重大事故の背後に29件の軽微な事故と300件のヒヤリ・ハットがあるとされます。
インシデントレポートは「責任追及ではなく再発防止」「実害がなくても報告」と覚えましょう。
【用語】
インシデントレポート:医療事故につながりかねない出来事や、実際に起きた誤りを組織に報告し、再発防止に生かすための記録である。
医療安全支援センター:都道府県などが設置し、医療に関する患者や家族からの相談や苦情に対応する窓口である。
ハインリッヒの法則:労働災害の統計から、1件の重大事故の背後に多数の軽微な事故とヒヤリ・ハットがあるとする経験則である。
ヒヤリ・ハット:事故には至らなかったものの、ひやりとしたりはっとしたりした出来事を指す。