正答4
解説
正解は4です。
言語研究には、実際に使われていることばをありのままに記録する記述主義と、正しい使い方を定めて従わせる規範主義があります。
この問題は記述主義的でないものを選ぶので、○ が答えです。
【選択肢別解説】
1:× 記述主義的です。
ガ行の鼻濁音[ŋ]と摩擦音化した[ɣ]の使用割合を、そのまま記録しています。
2:× 記述主義的です。
「行かれる」という尊敬語を実際に使う人の割合を、評価を加えずに記録しています。
3:× 記述主義的です。
「高く」のアクセントの型が話者によってどう分かれるかを、ありのままに記録しています。
4:○ 記述主義的ではありません。
「食べれる」という、いわゆるら抜きことばを使う人に介入して「食べられる」に直させており、正しい形を押しつける規範主義的な態度です。
5:× 記述主義的です。
「挑戦する」がとる助詞(に・を)の揺れを、実際の使用割合として記録しています。
【ポイント】
記述主義は「どう使われているか」を、規範主義は「どう使うべきか」を扱います。
現代の言語学は記述主義を基本的な立場としています。
【用語】
記述主義:言語の使われ方をありのままに観察して記述する立場を指す。
規範主義:ことばの正しい使い方を定めて、それに従うよう求める立場を指す。
尊敬語:相手や話題の人物を高めて、その動作を敬う表現である。
アクセント:語ごとに決まっている、音の高低や強弱の型のことを指す。
ら抜きことば:「食べれる」のように、可能を表す「られる」から「ら」が抜けた言い方である。
鼻濁音:ガ行の子音を軟口蓋鼻音で発音したもので、語中のガ行などに現れる。