正解を2つ選んでください。
正答1・5
解説
正解は1と5です。
2cm³カプラで測定した補聴器の入出力特性のグラフを読み取る問題です。
【図の所見】
グラフは、入力音圧50、60、70、80、90dB SPLごとの出力音圧の周波数特性を示しています。
2,000Hzでの出力は、入力50dBで約80dB、60dBで約85dB、70dBで約90dB、80dBで約95dB、90dBで約100dB SPLです。
つまり、入力が10dB増えるごとに出力は約5dBしか増えておらず、入力が大きいほど利得が小さくなる圧縮型の特性です。
すべての曲線は3,000Hz付近で最大となり、入力90dBの曲線の頂点は約104〜105dB SPLです。
【計算】
圧縮比は、入力音圧の変化量を出力音圧の変化量で割って求めます。
2,000Hzで入力が70dBから80dBへ10dB増えると、出力は90dBから95dBへ5dB増えます。
圧縮比=10÷5=2です。
利得は、出力音圧から入力音圧を引いて求めます。
2,000Hzで入力70dB SPLのときの出力は90dB SPLです。
利得=90−70=20dBです。
【選択肢別解説】
1:○ 入力10dBの増加に対して出力は5dBしか増えないため、圧縮比は2です。
2:× 規準周波数レスポンスは入力60dB SPLの曲線で求めます。
その高周波数平均値は約85dB SPLで、99dB SPLは入力90dBの曲線の値に近い数値です。
3:× 入力が大きいほど利得を小さくする圧縮特性は、補充現象のある感音難聴に適した調整です。
4:× 104dB SPLは入力90dBのときの最大の出力音圧で、利得ではありません。
利得は出力から入力を引いた値で、単位もdBであり dB SPL ではありません。
5:○ 2,000Hzで入力70dB SPLのときの出力は90dB SPLなので、利得は20dBです。
【ポイント】
入出力の関係は「圧縮比=入力の変化量÷出力の変化量」「利得=出力−入力」で読み取ります。
高周波数平均値は、1,000Hz・1,600Hz・2,500Hzの3周波数の平均で求めます。
【用語】
2cm3カプラ:補聴器の特性を測定する際に、耳の代わりに使う2立方センチメートルの測定用の容器である。
圧縮比:入力音圧の変化に対する出力音圧の変化の比で、補聴器の圧縮の強さを表す。
規準周波数レスポンス:補聴器の周波数ごとの出力の特性を、基準の条件で測定した結果である。
利得:補聴器が入力音をどれだけ増幅するかを表す値で、出力音圧と入力音圧の差である。