正答4
解説
正解は4です。
聴覚と平衡覚の生理を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 1,000Hz 以下の低い周波数では、聴神経が音の位相に同期して発火し、時間間隔の情報が伝えられます。
時間情報が伝わりにくくなるのは高い周波数のほうです。
2:× 外有毛細胞は基底板の振動を増幅する役割をもつため、その経路が障害されると閾値の上昇や周波数選択性の低下が起こり、語音聴力も低下します。
3:× 蝸牛内の振動は、アブミ骨底から前庭階に入り、鼓室階へと伝わって正円窓に抜けます。
向きが逆です。
4:○ 球形嚢などの耳石器は強大な音にも反応します。
この性質を利用した検査が前庭誘発筋電位(VEMP)です。
5:× 前庭の有毛細胞には方向性があります。
不動毛が動毛の側へ倒れると興奮し、反対側へ倒れると抑制されます。
【ポイント】
VEMPは、強大音で球形嚢を刺激し、胸鎖乳突筋などの筋電位の変化をみる検査です。
有毛細胞は「動毛に向かうと興奮、離れると抑制」という方向選択性をもつ点が頻出です。
【用語】
外有毛細胞:蝸牛の有毛細胞の一種で、動いて基底板の振動を増幅する働きをもつ。
ラセン神経節:蝸牛内にある神経細胞の集まりで、有毛細胞の情報を聴神経へ伝える。
耳石器:前庭にある平衡覚の受容器で、頭部の傾きや直線加速度を感じる。
前庭階:蝸牛内の三つの管の一つで、アブミ骨底側から振動が伝わる入り口の管である。
動毛:有毛細胞にある一番長い感覚毛で、倒れる向きによって興奮や抑制が決まる。