正答1
解説
正解は1です。
失語症と一緒にみられやすい高次脳機能障害を、病巣の近さから考える問題です。
【選択肢別解説】
1:○ 計算障害は失語症に伴うことが多い症状です。
左頭頂葉(角回など)は言語野に近く、数の理解や計算に関わるためです。
数詞の理解や表出の障害によっても計算の成績が低下します。
2:× 健忘は、海馬など側頭葉内側や間脳の損傷で起こる記憶障害です。
言語野の損傷による失語症に伴うことは多くありません。
3:× 視覚性失認は、後頭葉から側頭葉下部の損傷で起こります。
失語症に伴うことは多くありません。
4:× 着衣失行は、主に右頭頂葉の損傷で起こります。
左半球損傷による失語症とは病巣の側が異なります。
5:× 作話は、コルサコフ症候群や前頭葉の損傷に伴うことが多い症状です。
失語症に伴う典型的な症状ではありません。
【ポイント】
左角回の損傷では、失書・失算・手指失認・左右識別障害のゲルストマン症候群が起こります。
失語症に失算や失行(観念運動性失行など)が合併しやすいことを押さえましょう。
【用語】
計算障害:数を扱ったり、計算の手順を実行したりすることが難しくなる症状である。
視覚性失認:目は見えているのに、見たものが何かを認識できなくなる障害である。
着衣失行:麻痺や失認がないのに、衣服を正しく着ることができなくなる高次脳機能障害である。
作話:記憶の欠落を補うように、事実と異なる話を本人は気づかずに述べることである。
健忘:新しいことが覚えられない、または過去の出来事を思い出せない記憶の障害である。