正答1
解説
正解は1です。
広帯域サウンドスペクトログラムから、子音の有声・無声と調音位置を読み取る問題です。
5つの選択肢は「長い/赤い」と「影/壁/崖」の組み合わせなので、各子音の現れ方を確認します。
【図の所見】
図では約0.05〜0.92秒にかけて、母音の区間が4つのかたまりとして並んでいます。
1つ目と2つ目のかたまりの間(約0.15秒付近)には、ごく短い途切れしかありません。
2つ目と3つ目のかたまりの間(約0.5〜0.6秒)には、長い無音の区間があります。
3つ目と4つ目のかたまりの間(約0.75秒付近)には、再び短い途切れがあります。
最後のかたまりは、第1フォルマントが低く第2フォルマントが2kHz前後と高い、「エ」に合う形です。
【選択肢別解説】
1:○ 「ながいかげ」と一致します。
最初の短い途切れは有声破裂音[g]の閉鎖で、声帯振動が続くため無音が短くなります。
0.5〜0.6秒の長い無音は、無声破裂音[k]の閉鎖区間です。
最後の短い途切れは「げ」の[g]で、続く母音が「エ」である点も一致します。
2:× 「あかい」では1つ目と2つ目の母音の間に無声の[k]が入ります。
その場合は長い無音区間が現れるはずですが、図では短い途切れしかありません。
3:× 「かべ」では後半の子音が両唇音の[b]になります。
前半の「長い」は図と合いますが、後半の子音は調音位置で区別されます。
両唇音では閉鎖の前後で第2フォルマントが低い方へ動き、軟口蓋音では第2と第3フォルマントが互いに近づきます。
図の後半の子音は軟口蓋音の[g]と判断されるため、「壁」は一致しません。
4:× 「あかい」の[k]による長い無音区間が前半にないため一致しません。
後半も「かべ」となり、選択肢3と同じ理由で一致しません。
5:× 「がけ」では、2語目の最初が有声の[g]、後半が無声の[k]になります。
図では2語目の前に長い無音、後半に短い途切れがあり、有声と無声の順序が逆です。
【ポイント】
スペクトログラムでは、無声破裂音は長い無音区間、有声破裂音は短い閉鎖で表れやすくなります。
調音位置は、閉鎖前後のフォルマントの動き(軟口蓋音では第2・第3フォルマントが接近)で判断します。
【用語】
広帯域サウンドスペクトログラム:分析する帯域幅を広くとって時間の分解能を高めた音声の図で、声帯振動に対応する縦縞が見える。
フォルマント:声道の共鳴によって強められた周波数帯域で、スペクトログラムでは濃い横縞として現れる。
閉鎖区間:破裂音で声道が閉じられている間の区間で、無声破裂音では無音の空白として現れる。
軟口蓋音:舌の後部を軟口蓋に近づけたり付けたりして作る子音で、[k]や[g]などがこれにあたる。