正答4
解説
正解は4です。
オージオグラムから、各耳の聴力の型、難聴の種類、マスキングの要否、身体障害者手帳の該当を読み取る問題です。
図では右耳の気導が○(実線)、左耳の気導が×(破線)、右耳の骨導が[、左耳の骨導が]で示されています。
【選択肢別解説】
1:× 右耳の1,000Hzの骨導閾値は65dBではなく、55dB付近です。
65dB付近にある記号は]で、左耳の骨導閾値です。
2:× 左耳は純粋な感音難聴ではなく、混合性難聴です。
左耳の気導閾値は85〜100dB程度ですが、骨導閾値は60〜70dB程度で、20dB以上の気骨導差があります。
3:× 右耳の聴力像は高音急墜型ではなく、高音にかけてなだらかに下がる型です。
125Hzの30dBから8,000Hzの80dBまで、隣り合う周波数で5〜15dBずつ低下しています。
4:○ 左耳の500Hzの気導閾値は100dBで、右耳(よい耳)の骨導閾値35dBとの差が大きいです。
気導受話器では、両耳間移行減衰量(約40〜50dB)を超える差があると、音が反対側の耳で聞こえてしまいます。
そのため、右耳にマスキングをかけて測定する必要があります。
5:× 身体障害者手帳に該当します。
4分法で平均聴力レベルを求めると、右耳は約55dB、左耳は約90dBです。
「一側90dB以上かつ他側50dB以上」の基準を満たし、聴覚障害6級に該当します。
【計算】
4分法の平均聴力レベル=(500Hz+2×1,000Hz+2,000Hz)÷4
右耳=(50+2×55+60)÷4
右耳=220÷4=55dB
左耳=(100+2×80+100)÷4
左耳=360÷4=90dB
【ポイント】
身体障害者手帳の聴覚障害6級は「両耳70dB以上」または「一側90dB以上かつ他側50dB以上」です。
最高語音明瞭度が50%以下の場合は4級の基準にも関わるため、併せて確認します。
【用語】
両耳間移行減衰量:一側の耳に与えた音が、頭蓋を伝わって反対側の内耳に届くまでに弱まる量である。
骨導閾値:骨導で聞こえる最小の音の大きさで、内耳以降の聴力を反映する。
高音急墜型:低い音は聞こえ、ある周波数から高い音の聴力が急に悪くなる聴力図の型である。
マスキング:検査をしない側の耳に雑音を入れ、反対の耳の影響を取り除く方法である。
感音難聴:内耳や聴神経などの障害による難聴で、気導と骨導の閾値がほぼ同じになる。
最高語音明瞭度:語音聴力検査で、音の大きさを変えて得られた最も高い聞き取りの割合である。