正答5
解説
正解は5です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
聴性脳幹反応(ABR)と聴性定常反応(ASSR)の特徴を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× ASSRは周波数ごとに変調した音を用いるため、周波数別に閾値を推定できます。
記述は正しいです。
2:× 公式正答では、この記述は誤りの肢とされていません。
ABRで得られる反応閾値は、純音聴力検査の閾値より10〜20dB程度高くなるのが一般的です。
一方でABR自体は睡眠の影響を受けにくい反応とされており、記述の読み方には注意が必要です。
3:× ABRが正常でも低音障害型難聴の例はあり、記述は正しいです。
クリック音によるABRは主に2,000〜4,000Hzの聴力を反映するため、低音域の難聴は検出しにくいです。
4:× ABRのV波は、外側毛帯から下丘付近が起源とされ、記述は正しいです。
V波は最も大きく安定した波で、閾値の判定に用います。
5:○ ASSRの閾値は、低音域では誤差が少ないのではなく、大きくなります。
低い周波数では反応が小さく雑音の影響を受けやすいため、推定の精度が下がります。
【ポイント】
ABRは閾値の推定に優れるが周波数特異性が低く、ASSRは周波数別に推定できるが低音域の精度が劣ります。
両者を組み合わせて乳幼児の聴力を評価します。
【用語】
ASSR:聴性定常反応のことで、変調した音に対する脳波の反応から聴力を周波数別に推定する検査である。
ABR:聴性脳幹反応のことで、音を聞かせたときの脳幹の電気的な反応を記録する検査である。
外側毛帯:聴覚の伝導路にある神経線維の束で、脳幹の中を上行して下丘に至る。
低音障害型難聴:低い周波数の音で聞こえが悪くなる感音難聴で、高音域の聴力は比較的保たれる。
反応閾値:検査で反応が得られる最小の刺激の大きさを指し、聴力の指標となる。