正答5
解説
正解は5です。
この問題は運動障害性構音障害の訓練として適切でないものを選ぶので、○ が答えです。
運動障害性構音障害は、発声発語器官の運動の障害によって話しことばが不明瞭になる状態です。
【選択肢別解説】
1:× 補装具の利用は適切です。
例えば軟口蓋挙上装置は鼻咽腔閉鎖を助け、開鼻声を軽減します。
2:× 構音器官の運動範囲を広げる訓練は適切です。
口唇や舌の動きが大きくなると、構音の正確さが高まります。
3:× プロソディを強調する訓練は適切です。
抑揚や強弱を意識すると、聞き手にとっての自然さと伝わりやすさが増します。
4:× 発声機能の改善を図ることは適切です。
十分な呼気と声が、明瞭な発話の土台になります。
5:○ 初期から発話速度を上げるのは適切ではありません。
速く話すと構音の動きが追いつかず、明瞭度が下がります。
訓練の初期は、発話速度を落として明瞭度を高めるのが基本です。
【ポイント】
発話速度の調整にはペーシングボードやモーラ指折り法が用いられます。
速度の低下は、特にパーキンソン病の加速した発話に有効です。
【用語】
運動障害性構音障害:発声発語器官の運動の障害により、話しことばが不明瞭になる状態である。
プロソディ:話しことばの抑揚、強弱、リズムなどの韻律的な特徴を指す。
補装具:失われた身体の機能を補うために用いる器具で、構音の改善に使うものもある。
軟口蓋挙上装置:口蓋に装着する床から伸びた挙上子で軟口蓋を持ち上げ、鼻咽腔の閉鎖を助ける装置である。
ペーシングボード:区切られた枠を1つずつ指で押さえながら話すことで、発話速度を落とす道具である。