正答1
解説
正解は1です。
補聴器装用時と非装用時の語音明瞭度曲線を読み取る問題です。
横軸は語音の聴力レベル(dB HL)、縦軸は語音明瞭度(%)です。
図の所見は次のとおりです。
非装用時(白い三角)は、50dBで約10%、60dBで約45%、70dBで約65%、80dBで約75%です。
装用時(黒い三角)は、40dBで約10%、50dBで約45%、60dBで約65%、70dBで約75%です。
2本の曲線は同じ形で、装用時の曲線が非装用時より10dB左(小さい音の側)にずれています。
最高語音明瞭度はどちらも約75%です。
【選択肢別解説】
1:○ 正しい記述です。
声が大きめの日常会話(70〜80dB程度)では、非装用時でも語音明瞭度が約65〜75%あり、日常会話はほぼ理解できる水準です。
2:× 誤りです。
日常会話音に当たる60dBでは、非装用時が約45%、装用時が約65%であり、改善は10%ではなく約20%です。
3:× 誤りです。
装用時の曲線は非装用時より約10dB左にずれているだけなので、補聴器の利得は30dBではなく約10dBです。
4:× 誤りです。
装用時に40dBで聞き取れるのは約10%にすぎません。
語音了解閾値は数字語音で別に測定するもので、この曲線から40dBとは読み取れません。
5:× 誤りです。
装用閾値は音場での閾値検査で測定するもので、この語音明瞭度曲線からは読み取れません。
50dBは装用時の語音明瞭度が約45%となる語音レベルです。
【ポイント】
語音明瞭度曲線の左右のずれは補聴器の利得、縦方向の改善は聞き取りの改善を表します。
最高語音明瞭度が補聴器で変わらない場合は、聴覚そのものの弁別能力の限界を示します。
【用語】
語音明瞭度曲線:語音の聴力レベルを変えながら語音明瞭度を測り、その変化を曲線で表したものである。
語音了解度閾値:語音の約50%が聞き取れる、最も小さい語音のレベルである。
装用閾値:補聴器をつけた状態で、ようやく音が聞こえる最小の音の大きさである。
利得:補聴器が入力の音をどれだけ大きくして出力するかを、デシベルで表した値である。