正解を2つ選んでください。
正答1・5
解説
正解は1と5です。
喉頭内視鏡所見から、声門閉鎖不全によって生じる症状を考える問題です。
図の所見は次のとおりです。
左の安静呼吸時の画像では、左右の声帯が開いて声門が広く開大しています。
右の発声時の画像では、本来左右の声帯が正中で閉じるはずですが、声帯の間に細長い黒い隙間が残っています。
これは発声時に声門が閉じきらない声門閉鎖不全の所見で、一側の声帯麻痺(反回神経麻痺)などで生じます。
【選択肢別解説】
1:○ 正しい選択です。
声門が閉じきらず発声時に呼気が漏れるため、息もれのある気息性嗄声となります。
2:× 誤りです。
声門閉鎖不全そのものでは咽頭痛は生じません。
咽頭痛は炎症などで起こる症状です。
3:× 誤りです。
図の安静呼吸時には声門が十分に開いており気道は保たれているため、呼吸困難は通常生じません。
呼吸困難は両側の声帯が正中付近で固定した場合に起こります。
4:× 誤りです。
呼気が声門から漏れるため、発声持続時間は延長ではなく短縮します。
5:○ 正しい選択です。
嚥下時にも声門が十分に閉じないため、食物や水分が気道に入りやすく、むせが生じます。
【ポイント】
一側声帯麻痺の三大問題は、気息性嗄声、発声持続時間の短縮、誤嚥です。
治療には音声治療のほか、声帯内注入術や甲状軟骨形成術Ⅰ型が用いられます。
【用語】
気息性嗄声:声門が十分に閉じず、息が漏れて、かすれた息まじりの声になる状態である。
喉頭内視鏡:口や鼻から細い内視鏡を挿入して、声帯のある喉頭の内部を直接観察する検査である。
発声持続時間:できるだけ長く声を出し続けられる時間で、声門の閉鎖と呼吸の機能の指標となる。
声門閉鎖不全:発声や嚥下のときに左右の声帯が十分に閉じず、声門にすき間が残る状態である。
反回神経麻痺:声帯を動かす反回神経が障害されて声帯が動かなくなる状態で、嗄声や誤嚥の原因となる。