正答4
解説
正解は4です。
両耳で聴くこと(両耳聴)による音の知覚の特徴を問う問題です。
音源の方向は、左右の耳に届く音の時間差と強さの差を手がかりに判断されます。
【選択肢別解説】
1:× 弁別できる最小の両耳間時間差は約9msではありません。
数十マイクロ秒以下のごくわずかな差とされ、ミリ秒の単位よりはるかに小さい値です。
2:× 両耳で聴く方が閾値は大きくなるのではなく、小さくなります。
両耳加算により、片耳で聴くより小さい音まで聞こえます。
3:× 低い周波数では両耳間強度差ではなく、両耳間時間差(位相差)が方向の主な手がかりです。
強度差が主な手がかりになるのは、頭の影響を受けやすい高い周波数です。
4:○ 壁からの反射音があっても、壁に音源があるとは感じません。
先に届いた直接音の方向に音像が定位する先行音効果(ハース効果)が働くためです。
5:× 同じ音が左右のスピーカから同時に出ると、それぞれの位置ではなく中間に一つの音像が定位します。
これがステレオ再生の原理です。
【ポイント】
方向知覚の手がかりは「低音は時間差、高音は強度差」と覚えます。
先行音効果によって、残響の多い部屋でも音源の方向を正しく知覚できます。
【用語】
両耳間時間差:音が左右の耳に届くまでの時間のずれで、音源の方向を判断する手がかりになる。
両耳間強度差:音が左右の耳に届くときの強さの差で、おもに高い周波数で方向の手がかりになる。
定位:聞こえた音がどの方向や位置にあるかを判断することである。
閾値:音などの刺激が感じ取れる最小の強さで、小さいほど感度が高いことを表す。
先行音効果:同じ音が続けて届くとき、先に届いた音の方向に音像が定位する現象である。